30歳独身一人暮らし男のリアルな引越し実体験を
交えつつ、これから引越し・転居を控えた方に対して
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▼整理されたダンボールの山

実は、今回の引越しは、とんでもないやり方で進めることになったのである。まず引越しの前日、引越し業者から「明日の夕方に荷物の集荷に伺うので、よろしくお願いします」との連絡がきていた。
引越し当日、業者は何件か他の引越しの集荷が入っているため、それらが終わり次第うちに来るとのことだった。そこで、昼過ぎからは家で引越し業者の到着をひたすら待つことになる。
さて、夕方には来ると言う話だったが、4時、5時と時間が過ぎてもまだ引越し業者からの連絡は無い。
私は不安になってきた。実は、今夜は同僚との送別会が入っていたため、8時には家を出る必要があったのだ。結局6時になっても引越し業者からは連絡がなかったので、たまりかねた私は引越し業者の受付へ電話をした。
▼私:
「夕方には集荷に来るって話だったけど、全く来る気配がないんですけど、どうなってますか?」
▼引越し業者:
「すいません、先ほど確認したところ、朝一番の集荷で時間を取られたので、それ以降の作業に遅れが生じています。申し訳ありません。」
▼私:
「いやいや、遅れてますといわれても、こちらも困るんですけど。実は、今夜8時には家を出なきゃいけないんですよ。なので、それまでになんとか間に合わせてください。もし、それが無理であれば、集荷を明日にずらしてください。」
▼引越し業者:
「え、そうなんですかっ。では一度確認してみますので、改めてお電話させていただきます。」
ということで、引越し業者に詳細を確認してもらうことになった。そして数分後、引越し業者から電話がくる。
▼引越し業者から電話が来る

▼引越し業者:
「お待たせしました。すいません、お客様、先ほど作業員に確認したところ、本日は大体8時半から9時ごろの到着になりそうです。その時間だと、どうしても都合がつかないんでしょうか?」
▼私:
「そもそも、そんな遅い時間になるなんて聞いてなかったよ。蛍光灯も外しちゃってるから、家の中は真っ暗だし。とにかく、そんなに遅くなるんだったらこっちも都合が悪いから、明日の朝イチでもう一度集荷に来てください。」
▼引越し業者:
「すいませんお客さん、実は、明日も集荷の予定がいっぱいになっておりまして、どうしても本日中に集荷させていただきたいのですが。なんとか都合をつけていただくようお願いします。」
ここまでの会話の流れで、「あ、こりゃ埒があかないな」と思った私は、ある無茶な提案をしてみることにする。
▼私:
「だからー、今日はもう無理だって。どうしても今日中に集荷しなきゃいけないんだったら、家の鍵をポストに入れとくから、勝手に集荷してよ。それなら今日中にできるでしょ。」
▼引越し業者:
「え、お客さんの立会い無しで作業するんですか。それはちょっと。。」
▼私:
「だって、それしか今日中に集荷する方法がないじゃん。ここまで遅れたのはそちらの責任なんだから、もし、それがだめなんだったら集荷は明日にしてよ。」
▼引越し業者:
「・・・分かりました。では、社内で確認させていただきますんで、少々お時間をください。」
ということで、なんと無人の家で勝ってに引越しの作業をやってくれという流れになってしまったのである。もちろん、引越し業者としても責任問題となるので、可能かどうか上層部に確認するとのこと。
さあ、引越し業者はどういう回答を持ってくるのか、どきどきしながら電話を待った。そしていよいよ運命の電話が来る。
▼引越し業者:
「お待たせしました。では、お客様のおっしゃるとおり、立会い無しで引越し作業をさせていただきます。ただし、もし作業に間違いがあった場合は責任がとれませんので、担当者と電話で十分確認しながら進めてください。」
▼私:
「あ、そうですか。了解しました。立会い無しでやってくれるとは、驚きです。まあ、そんなに変わった荷物もないんで、なんとかなるでしょう。」
▼引越し業者:
「ところで、お支払いの方法はどうしますか?できれば、大家さんか誰かに預けておいてもらいたいんですが。」
▼私:
「お金ね、どうしよっかな。じゃあお金は封筒に入れて、台所の目に付くところにおいとくんで、確認して持ってってください。今日に限ってピンポイントで泥棒が入るとも思えないんで、大丈夫ですよ。」
ということで、結局立会い無しでの引越し作業となってしまった。私としては、引越し業者として立会い無しは許されないだろうと思っていたので、明日無理やりにでも来てもらおうと思っていたのだが、相手が一枚上手だったようだ。
まあ、荷物もまとめてあるし、電話で確認しながら作業してもらえば大丈夫かなと思いつつ、やっぱり不安も隠せない。
しかし何はともあれ、送別会の時間になったので私は家を出た。
▼台所に置いた現金10万円!

送別会の会場に着いた私は、愕然とする。なんと、飲み屋が地下1階のため、携帯の電波が入らないのだ。ああ、神はなんといういたずらをするのかと、日頃の行いを反省しつつ、送別会はスタートした。
しかし電波が届かないので、飲んでいる間、10分置きに店の外に出て携帯を確認しなきゃいけない。
もちろん、話のネタとしては面白いのだが、本人としては心配でしょうがないのが本音のところ。
何回か店の外に出たり入ったりして携帯を確認していたところ、ちょうど店の外にいるときに引越し業者からの電話が入った。
▼引越し業者:
「遅れて申し訳ありません。今、お宅に到着しました。ところで、鍵はポストに入っているという話なんですが、ダイヤル式のロックがかかっていて開かないんですけど。」
▼私:
「ああ、ようやく着きましたか。まずは一安心しましたよ。で、ポストは右に**、左に**回せば開きますんでやってみてください。」
▼引越し業者:
「ああ、開きました。ではこれから作業を始めます。」
ということで、ようやく引越し作業が始まった、らしい。そこからの私は、離れた我が家で行われているであろう引越し作業を想像しながら飲むことになる。何かあれば連絡してください、とは言ったものの、こちらの携帯は電波が入らないので、心配でしょうがない。
その後、何度も店から出たり入ったりを繰り返すことになり、送別会なのに酔うに酔えないというよく分からない展開になっていった。
1時間後、引越し業者から連絡が入り、全て完了したとのことだった。私は、もし洗濯機が忘れられていたらどうしよう、とか、飲みながらしばらく余計な妄想をしていたため、必要以上に念入りに「ほんとに忘れ物はないですよね。全部荷物は積んでもらいましたよね。」と確認してしまった。
まあ、そんなこんなで業者は作業を終えて引き揚げていき、私は不安を抱えながらも安心して(?)飲みに集中できるようになった。
夜12時ごろ、送別会も無事に終わり、別れを惜しみつつみんなと別れ、家路についた。はたして無事に引越しは終わっているんだろうか。
いよいよ家に到着し、部屋の鍵をおそるおそる開けて、部屋に入る。部屋の電気はつかないが、カーテンが無いので月明かりで部屋の内部は確認できる。
▼きれいに荷物が運び出された部屋

おお、見事に荷物が無くなっているではないか!きれいさっぱり、全ての荷物が運び出されていた。そして、台所に置いていた引越し代金10万円の変わりに、今回の領収書が置かれていた。
引越し業者をリモート操作しているような奇妙な引越しだったが、終わってみれば特に問題も無く、いい経験だったと思えてくるから不思議なものだ。
ここで一つ、皆さんに言い忘れたことがある。
実は今回の引越し作業で、作業員の方に気持ちよく作業をしてもらうため、当日の昼にケーキを買ってきていたのだ。そのケーキを玄関に置いておき、「お疲れ様です。作業の合間にでも食べてください。」と書置きを残して私は送別会へ行ったのだった。
もしかしたら、このケーキが立会い人のいない引越しをスムーズに進めてくれたのかもしれない。